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定額制ストリーミングサービスで変わる音楽の伝え方 -日本の音楽業界は?


 前回まで音楽の聴き方が変わっているということで定額制ストリーミングサービスについての紹介。そして海外アーティストの動きを少し見ていきました。今回は今後、普及していくであろう日本のアーティストはどう動いていくべきなのか。少しまとめてみました。

日本国内の音楽界の動き
 日本での定額制ストリーミングサービスの普及の本格化はこれからです。ですから、このサービスに対しての動きは直接的には出ていません。しかしデータでの購入(iTunesなど)が一般的になっている今でも利益が少なくCDを買ってほしいという声はあるようです。(何年か前にスガシカオさんのtwitterは話題になりましたね。)また日本のアーティストは世界的なセールスを持つ方は多くなく、さらに厳しい環境になるでしょう。変わる時代にどうビジネスを成り立たせるのか考えていかなければなりません。海外にならいアーティスト側が自らサービスを持つのも手ですが、多くの協力者や資金が必要となり、現実的ではありません。広告面だと、これまでよりwebでのメディア戦略を深めていかなければならないでしょう。
 ビジネスモデルを少し変えた例としてCREATEVE PLATFORM(CPF)というプロジェクトが4年程前よりHIP HOPを中心に注目されています。これはあらかじめ販売数を限定し、消費者に購入(投資)をしてもらいます。そして一定期間(半年〜1年間が通常のようです)購入者に未公開音源や新曲などをCD、DVD、データで送ります。またライブチケットも優先的に配布したりしています。つまりクラウドファンディングです。ですのでCPFでなくても他のクラウドファンディングサービスでも充分に応用できるでしょう。この投資を受けた期間にキャッシュを獲得して曲を作れるので、次のアルバムがより良いものを早く制作できるようになります。
このような証券化を2000年から活用しているインディーズレーベルがあります。ミュージックセキュリティーズ株式会社(MS)です。この会社はCPFと違い、投資者にCD等の売上から分配金や特典で還元する方式です。


CDショップの動き
 日本でのCDの売上ピークは1998年です。以降は徐々に減少しています。作り手だけでなく、CDショップもかなり苦戦しているのです。かつての流行の発信源とも言われたHMV渋谷店が2010年に閉店しました。しかし今年秋にHMV&ブックストーキョーとして復活するとのことです。しかしCDも本も売れない時代にどう復活するのか。店内に200〜300人収容できるイベントスペースを作ります。そこで様々なイベントを打っていくのです。HMVは「エンタメの複合施設」を目指すとのことです。タワーレコード渋谷とどのような違いを生み出せるか注目です。現在でもインストアライブ等を行っているショップは多いですが、このように店舗販売ならではの動きが必要となってきそうです。



2回にかけて音楽の伝え方と題し書いてみました。
音楽の聴き方が変わることで作り手は厳しくなる可能性はあるでしょう。しかし聴く側はとにかく音楽を好きなように楽しめばいいのです。定額制ストリーミングサービスだって使うことで作り手側に少しでも収入があることは間違いないのですから。
またCDショップの方で書いた店舗販売ならではの動き。つまり生で体感するからこその良さ、というのはアーティストにも言えることだと思います。つまりライブです。良い音楽を作り、良いライブをする。新たなサービスが出てきても結局基本はそこになるのですね。

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