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預金すると手数料?(2)



預金すると手数料?ということで2回目。(1回目はこちら

1回目の最後の方に書きましたが、ヨーロッパではマイナス金利を設定する国がちらほら出てきています。アメリカはマイナス金利ではないですが、大手法人顧客から預金手数料を取ることを話し合っているところもあるようです。(WSJの記事:アメリカでは金利が要因ではなく、新しい連邦法では預金を保有している銀行に不利になるものだから、とのこと。)
では個人も預金手数料を取られるようになるのか、ほんの少し考えてみます。

個人も預金手数料を取られるようになるのか
これは短期的には取られるようになることはないだろうと予想します。
銀行は預金をされ、それを貸出することで利息を収入としています。個人にまで預金手数料を取ると預金額の減少が懸念されます。これでは事業が成り立ちません。


では仮に預金手数料が取られるようになった場合のことを考えてみましょう。
もし銀行に預けないのであれば、自分で金庫などで管理することになります。これは非常に危険です。空き巣が増えそうです。
全ての銀行が手数料を取るようになっても、個人はある一定の金額は銀行に預けることになるでしょう。
銀行の貸出金利や投資などの収入が高く確保されれば、個人から徴収する必要はないですが、そうでない場合は長期的に考えると手数料を取るという選択をするかもしれません。

銀行は既存のビジネスモデルで収入確保ができるのか
銀行が企業や個人に融資して得る金利は大きな収入源です。では融資の状況を少し見てみましょう。




これは2014年6月と少し前のデータになりますが、帝国データバンクのレポートの一部です。貸出は増加しているものの、金利息(金利収入)は減少しています。さらに貸出金利息から預金利息の差額も減少しています。預金利息も減少しているのに関わらずです。

現在、資金調達のトレンドとしてあるのは融資ではなく出資。実際以前より金融業界ではプラベートエクイティやベンチャーキャピタルといったファンドの存在感が強くなっています。また勢いのあるITベンチャーにはエンジェル投資家が多くつきます。小規模な事業だとクラウドファンディングを利用することもあるでしょう。
資金調達が多様化して、銀行の資金運用は順調であるとは言えない様です。
この状況が打開できなければ預金手数料も現実となるかもしれません。


もう少し暇つぶし…
私が今、注目している銀行があります。それは、りそな銀行。りそな銀行は中小企業の優先株式を引き受けるなど融資以外の形で企業を支援しようとしています。
他の銀行も金利収入の減少にただボーッとしている訳ではありません。昨年話題になっていたのが、横浜銀行と東日本銀行。肥後銀行と鹿児島銀行。これらは今年や来年をめどに合併をします。しかもこれらの銀行は地銀の中でも比較的規模の大きい銀行です。

これから銀行はどう変化していくのか。機会があれば、もっと銀行に視点を当てたものを書きたいと思います。

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